どうみん割
旅行会社として、どうみん割の取扱申請をしました。どの程度の規模の取り扱いができるかは、まだ未知数ですが、多少なりとも予算は取れるのかなと思います。
弊社としては第2期の募集ですので、少し出遅れた感もありますが、第1期の募集で発生している問題点が見れた事は、事業上よかったかなと思います。
まず、消費者側から見た問題点としては、各ホテルや旅館に割り当てられた予算が、恐ろしく少なく、当然すぐに完売になりますし、不公平感も出ているようです。
あるブログによると、125,000円しか割り当てがなされず、普通に考えると一瞬で売り切れてしまうような金額しか指定されなかったと言うことです。
そして各旅行会社の割り当ても、想像しているより少なく、相当早く割り当てが消化されてしまったようです。
ただこれについては、総額の予算の問題もありますので、致し方ないのかな?とは思いますが、発売方法を気をつけないと、従来の常連のお客様を失いかねない状況になるのかなと思います。
もう一つの問題点としては、通常の販売価格から割引になっているはずなのに、元の販売価格が高くなっているので、消費者から見ると全く安くなっていないケースが多々見受けられます。
ただし、こちらは制度上の問題もあり、一般的にホテルが固定価格で売っている時代が既に終了しており、ほとんどのホテルがシーズナリーティーや稼働率によって価格を変えるいわゆるベストフレキシブルレートに変わっているケースが多いです。
そのため、同じ時期に同じ商品を価格を開けて発売した場合は、明らかにおかしいとお客様は気がつきますが、どうみん割のみ販売をした場合、この価格が適正価格なのかどうか消費者が判断する方法はありません。普段より仮に高かったとしても、この時期は本来高くする時期であったと宿側がお客様に伝えれば、はっきり言ってどうみん割の趣旨から逸脱していたとしても、それを証明する方法が消費者側にはありません。もっともじゃらんや一休楽天などの、大手旅行会社の価格と比較すると、一発でばれてしまいますが…
そしてこのような事は、今回の助成制度の規定で、禁止されている事項となりますし、また従来のお客様を逃してしまう最悪の愚作であるということは間違いありません。
一方事業者側のシステムとしても問題が多々あり、商品造成の規定がこと細かく決まっていないので、作る時にすごく困ることが多いです。
またキャンセル料のリスクの問題が非常に大きいなと感じています。具体的には、通常旅行商品は、お客様から100%の料金を事前に収受して、万一お客様の理由でキャンセルとなった場合は、先に収受をしている旅行代金からキャンセル料を差し引いた上で、お返しするのが業界の通常のルールです。
しかしながら、今回は例えば20,000円の旅費だった場合、半分の10,000円が助成されるので、このお金については先に収受をすることができません。
例えば悪質なお客様が、当日チェックインをせずノーショーとなった場合、ホテル側から100%の違約金を請求されますが、この場合ホテル側に対して旅行会社がキャンセル料金を支払い、その差額についてはお客様に旅行会社が請求をいたしますが、支払ってもらえる確約はどこにもありません。法律上は払ってもらえますが、実際に回収できるかどうかは別問題です。
また、ホテル側への支払いが先に来るので、行政からのお金の回収は、ホテルに旅行会社が立て替え払いした後になります。これもまた期日通り支払ってもらえるかどうか、他の給付金等で考えると、リスクがあるなと感じています。支払ってはもらえるかもしれないけれども、相当な時間が必要になる可能性があるわけです。
また商品造成でも、宿泊代金の50%を超えるオプションの設定ができないと言うことでありましたが、この宿泊代金の規定が、厳密に決まっていない部分があり、その料金を50%とするのかは、旅行会社に委ねられている部分が大きかったです。でも解釈の間違いで、支給されないなんてことになると非常に困るので、この辺は厳密に決めていただきたいのですが、何しろ旅行業法は非常に細かく規定が 決まっているにもかかわらず、どうみん割の規定が、まだ決まっていないことも多いようなので、旅行会社から見るとリスクが高いけれども利益は通常と変わらない…そして手間だけかかると言うことになっています。 まだ始まったばかりで、よくわからないことも多々ありますが、持続化給付金もそうですけど、もう少し制度を作る場合は、少なくとも事業者が困らないような規定をしっかりと最初に定めて欲しいと思います。
また、売り方によっては、従来のお得意様を失いかねないような方法になってしまっている場合もありますので、この辺もよく考えて販売しないとまずいことになりそうです。
販売方法をよく考えます。